成城石井の中で一番の売れっ子商品は、サクサクのアーモンドとレーズンがたっぷり入った「プレミアムチーズケーキ」だそう。 約10年前に発売されて以来のロングセラーのこの商品の生みの親は、18年も成城石井のお菓子を開発し続けている、菓子グループ長の光野正三さん。誕生秘話からこだわりレシピまで、たっぷりお話を伺いました!

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「完成した瞬間、これは売れると思った」

年間90万本以上、1日でおよそ8,000本も売れたことがあるというこの「プレミアムチーズケーキ」は、どのようにして誕生したのですか?

光野「成城石井といえばコレ」というような、他のどこにもないような看板商品を作りたいと思ってレシピを考案しました。レストランでいうところのシェフのスペシャリテですね。実は頭の中にはずっと、このチーズケーキのイメージはあったんです。そして実際に作ってみたら想像と近い、ほぼ完成に近いものが焼きあがりました。そこから濃厚な生地づくり、サクサク感を出すためのアーモンドの量や焼き加減など、より商品として魅力のあるレシピを完成させ、誕生したのが10年前です。

現在は爆発的な人気商品ですが、発売当初から人気があったんですか?

光野完成したときに「これは売れる商品になる」という自信はありました。そして、じわじわと口コミで広がり、ずっと右肩上がり。自分の目に間違いはなかったな、とうれしいですね。

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10年ほど前といえば、今のようにSNSもまだ発達していなかった中、口コミで広がるというのは、食べて「美味しい!」と思った人が誰かに贈り物にしたり、何度も食べたいというリピーターが多かったということでしょうね。濃厚でどっしりした食べ応えが人気だと思うのですが、そのおいしさの秘密はなんでしょうか?

手間暇かけることで生まれる、手作りの味。

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光野風味ではなく、きちんとした味を届けたいと思ってレシピを考案しました。濃厚なチーズを味わってもらいたいので、3層構造になっています。一番下にはパウンド生地、真ん中の層がアーモンドとレーズンがたっぷり入った濃厚なチーズの層、そして一番上にさくさくの食感を出すためにシュトロイゼル層が。

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光野また、パウンド生地だけを1度焼くこと、チーズの層に入るアーモンドの香ばしさを出すためにセントラルキッチンでローストしていること、そして一本一本手作業で作ることなど、そういう手間暇をかけることも美味しさの秘密ですね。ちなみにこのレシピは完成したときから、実は変わっていないんです!

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アーモンドを生地に混ぜているところ。生地が隠れるほどのアーモンドの量!
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一本一本、手作業で絞ります。
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仕上げも手作業。
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焼き上がりました。こんがりと美味しそう!

1日に約8,000本も売れたことがあると伺っていたのですが、それなのに手作りだったんですね!3層の組み合わせも特徴的ですね。パリパリとした食感が美味しいなと思ってましたが、ローストするというひと手間のおかげ。それでいて一本¥821というお求めやすさも、人気の理由でしょうね。

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光野質のいい材料をいい価格で仕入れてくる、成城石井の仕組みのおかげですね。そして、ローストアーモンドもそうなのですが、ローストされた商品を使うのではなく、自分たちでローストするなどもその理由のひとつです。また、自分たちの目の届く材料を使うことで、余計な添加物など気にすることなく、安心で美味しい材料でお菓子を作れるということにもなりますし。

おかげで、手軽に安心で美味しいケーキをいただけるという! バイヤーさんにも感謝ですね。同じシリーズの「ナチュラルチーズのクアトロフォルマッジオ」のお話はまた次回。お楽しみに!

教えてくれた人
光野正三さん
成城石井製造本部、菓子グループ長。マキシム・ド・パリのパティシエなどを経て成城石井入社18年目。素材のもつピュアな味そのものが活きた菓子作りがモットー。
商品リスト
成城石井 自家製プレミアムチーズケーキ 821円