【ショートケーキの日】暮らしの中にそっと溶け込むパティスリー「オ・プティ・マタン」
フードイラストレーター
まるやまひとみ
カレンダーを見ると22日の上に15日(苺)が乗っていることから、毎月22日はショートケーキの日に制定されました。
白いクリームに黄色いスポンジ。そして真っ赤な苺。
いつの時代も変わらず私たちに幸せをもたらしてくれる日本のショートケーキ。
あなたにおすすめしたい、横浜の素敵なショートケーキをご紹介します。
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リゾートホテルのようなマンションの1階にある「Au petit matin(オ・プティ・マタン)」は、2007年のオープン以来、シェフのケーキに魅了された人たちが遠近問わず訪れるパティスリー。
本場フランスなどで得た経験と知識を活かし、シェフが見極めた極上の食材を一番おいしいタイミングで提供する。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
地域の方々に本当のおいしさを届けたい
南欧風の外観に馴染む、フランスの街角のような佇まい。
“夜明け”を意味する「Au petit matin(オ・プティ・マタン)」。
シェフが、一日の始まりであり、可能性を秘めたこの言葉が好きで店名にしたのだそう。
ロゴになっているニワトリは夜明けを告げるシンボル的存在だ。
大きなショーケースにケーキやジャムなどが美しく並ぶ。
京急本線・金沢文庫駅から離れているものの、静かな環境でゆっくりとケーキを選ぶことができる。
ショートケーキを筆頭に、サバランやショコラ、シュークリームにプリン、そして店名が冠されたスペシャリテも。
洗練された装いの中に、さりげなく個性が見え隠れする魅力的なスイーツたち。
ガラス越しにキラキラとこちらに呼びかけてくる。
見た目からは想像もつかない味を思い浮かべながら、どれにしようかと悩む。
シンプルな材料で作られるフランス菓子。
大人も子供も安心して食べてもらえるケーキだからこそ、子供向けに作るのではなく、ケーキの本質を伝え、本物の味を知ってもらえるように一品一品にこだわりを持って作り上げる。
素材も、作り手がきちんと説明できるものを選んでおり、丁寧な接客で地元の人たちの信頼も厚い。
鮮度が命。絞りたて、できたてのうちに
明るい窓と落ち着いたインテリアで上品な雰囲気のカフェスペース。
ケーキは併設のカフェでもいただける。
地域性を取り入れた広い店内は、ベビーカーでの入店も可能。
掲示板には駅へ向かうバスの時刻表も貼られており、出発までのんびりくつろげる。
遠方からの来店であればぜひカフェで味わってほしいのが、看板商品のひとつである「モンブラン」。
賞味期限はわずか2時間。
ショーケースには並ばず、テイクアウト・イートインともに注文を受けてから仕上げる。
9月から季節限定で販売される栗モンブランとほうじ茶のセット。
ドーム状に網掛けされた栗ペーストは、ほどくのが惜しいほどたっぷり。
中にはメレンゲと生クリームが静かに待っている。
このモンブランに使われている栗は熊本県山鹿市産で、風味が強く甘みも濃厚。
無糖の生クリームがなめらかに栗本来の味を運び入れ、メレンゲの香ばしさが栗の印象を一層高めてくれる。
クリームの水分を吸ったメレンゲはあっという間に食感が変わってしまう。
とても繊細だが、栗の力強さを明確に感じられる。
モンブランとの相性が良いとしてセットメニューになっているのが「加賀棒茶」。
栗が持つ華やかな香りとほうじ茶のふくよかな旨み。
栗のポテンシャルが最大限に発揮された和の心地よさに、ついまどろんでしまう。
通年で楽しめる定番として落花生のモンブランもあるが、秋になると栗を求めてファンも多い。
そんな心を掴んで離さない「オ・プティ・マタン」のケーキ。
鮮度にこだわるからこそ生まれる美しさがあり、それがこのショートケーキにも如実に表れている。
ピュアなおいしさが優しく包むショートケーキ(イラストあり)
illustration by まるやまひとみ
今回いただいたのは
●ショートケーキ ¥620(税込)
中世ヨーロッパのひだ襟のように絞られた真っ白なクレームシャンティに、ヘタの付け根まで真っ赤に染まったいちごがエレガント。
クレームシャンティの白さとスポンジの淡い黄色が柔和な印象を抱かせ、その上品な佇まいに自然と姿勢が正される。
眺めていたくなる凛とした立ち姿。
スポンジはシュッとほどけ、控えめな風味。
ミルク感あふれるクレームシャンティは穏やかな甘さ。
素材それぞれが持つ自然の旨味が個性として光り輝く。
口の中に残る甘味にいちごの酸味が重なって、爽やかだけれどあっさりしすぎない絶妙なバランスが食べ応えに繋がる。
シェフの魂が込められた渾身のフィナンシェ
小さなカップケーキのようにコロンとしている。
モンブランと同じ熊本県産の栗を使用した「フィナンシェマロン」は通年販売されており、お取り寄せスイーツとしても大人気。
シェフが10年もの時間をかけて改良を重ね辿り着いた逸品だ。
極上の栗スイーツをおうちでもじっくりと堪能してほしい。
「オ・プティ・マタン」の焼き菓子は賞味期限1週間とやや短め。
しかし、ひと口食べれば納得だ。
大粒の栗がまるまる一粒。
発酵バターの効いた生地に、食感が際立つ皮付きのローストアーモンドプードル。
栗のほっくり、しっとりとした甘さがアーモンドのほのかなビター感とよく合い、溶け出すバターの香味と交わりほどけてゆく。
この澄んだ味わいは、ぜひフレッシュなうちにいただきたい。
焼き菓子を購入すると賞味期限について手書きされた案内が入っているなど、手渡す相手への配慮や姿勢からも感動を与えてくれる。
ニコニコ顔につられてこちらも思わずにっこり。
2019年2月には、国内外から多くの人が訪れる鎌倉にモンブラン専門店「Mont Blanc Stand」をオープン。
賞味期限2時間という儚さゆえのおいしさと、選び抜いた本物の味を届けている。
どこを切り取っても抜かりない、ひとつひとつにかける愛情と情熱。
夜が明けてもなお、記憶に残るその日の口福が翌朝まで続き、温かな気持ちに包まれる。
SHOP INFORMATION
SHOP | Au petit matin(オ・プティ・マタン) |
---|---|
WEBSITE | https://www.instagram.com/au_petit_matin/ |
ADDRESS | 神奈川県横浜市金沢区大川7-4-102 |
TEL | 045-786-0558 |
OPEN | 10:00〜20:00 |
CLOSE | 水曜日・木曜日 |
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