中目黒という土地で、自分たちのパティスリーを10年かけて丁寧に育ててきたジェローム・ケネルさんと椛沢貴子さんご夫婦。たくさんのスイーツマニアから愛され続けるカカオエット・パリの魅力について伺いました。
ジェロームシェフは、「ラデュレ」や「ピエール・エルメ」を始めとして名だたる有名店で活躍されてきた華々しい経歴の持ち主ですが、中目黒でパティスリーをことについてご苦労はありましたか？
ジェローム大通りから一本入った立地ということもあり、開店当初は客足が伸びず苦労をしました。心がけたのは、一期一会の出会いを大切にすることと、常に新作を発表し続けることで、何度でも新しい驚きをお客様にお届けできるようにしたこと。おかげさまでリピーターは着実に増え続け、９年目の今では、まっすぐにうちを目指して来てくださるお客様がほとんどになりました。
カカオエット・パリのケーキは、決してデザインが派手というわけではないのですが、一度見たら忘れられない美しい個性を感じます。「シンプルな構成のなかに、究極な味」というシェフの哲学についてお聞かせください。
ジェローム一貫してあるのは、「シンプルで、美しく、美味しいお菓子を作りたい」という思いです。ケースを見ていただけると伝わると思いますが、ケーキは常に宝石のように美しくモダンなデザインを心がけています。
しかし実は味の組み合わせは２つを超えるものはほとんどなく、内容は非常にシンプル。主役となる味を最大限に引き立てるためにはあらゆる努力を惜しみませんが、余計な足し算は一切しません。「シンプル」はごまかせません。だからこそ、いちばん難しく、奥深いです。
「車の運転中も、家でくつろいでいるときも、常に頭の中はケーキのことでいっぱい！」というジェロームシェフですが、これからのお店の展望について何か考えてらっしゃることはありますか？
ジェローム「２店舗目は？」「デパートへの出店は？」と聞かれることもありますが、私たち夫婦は、自分たちの手を経て生まれる最高の品質のものを、お客さまの顔の見える場所でお届けしたいと考えています。現在の厨房には信頼できる５名のスタッフもいますし、自分たちには最高の環境です。だからこれからもこのまま、一店舗主義で、今までのように日々丁寧にケーキを作り続けていきたいです。それから、いつも心がけているのは、感謝と幸せを忘れずに日々の仕事と向き合うこと。わたしたちは、幸せなケーキを作りたい。そのためにはなによりもまず、作り手自身が幸せでなければいけないと思っています。
SHOP INFOMATION
| NAME | カカオエット・パリ |
|---|---|
| URL | http://www.cacahouete-paris.jp/ |
| ADDRESS | 東京都目黒区東山1-9-2 |
| TEL | 03-5722-3920 | OPEN | 10:00〜20:00 |
| CLOSE | 毎週木曜日、第3水曜日定休 |
※他、臨時休業する場合があります
