東京・千駄ヶ谷から北参道にかけての、「ダガヤサンドウ」と呼ばれる注目エリア。新しいお店が続々とオープンするなか、ひときわ目立つブルーのかわいいお店が、ソフトクリームが大人気の「LAITIER(レティエ)」です。空気のようにふわふわでクリーミーなソフトクリームと、斬新でスタイリッシュなトッピング。一度食べるとクセになると評判のおいしさの秘密を、オーナーの青木則夫さんにお聞きしました。
より多くの人に楽しんでもらうため、料理人からソフトクリーム職人に転職
外観がとてもかわいくて、初めてでもすぐにわかりますね! 入る前からわくわくしてしまいました。こちらでソフトクリーム屋さんを開くことになったのはなぜですか?
青木わたしはもともとフレンチの料理人で、妻はパティシエでした。前の職場から独立するときに、フレンチレストランを開くことも考えたのですが、やはり、限られた範囲の人だけではなく、お子さまからお年寄りまで、より多くの方に喜んでいただけるお店をつくりたいと思い、老若男女から愛されているソフトクリームを選びました。牛乳へのこだわりが芯となっているので、名前はフランス語で「牛乳屋」とう意味を持つ「LAITIER(レティエ)」にしました。
外装も、内装も、絵本の世界のようで、とてもすてきですね。
青木ありがとうございます。アイスクリームが溶けている雰囲気を出したくて、このようなデザインになりました。店内の壁の茶色い部分は、コーンを表現しているんですよ。みなさん写真をたくさん撮ってくださるので、うれしいです。
ふわっふわの食感にノックアウト! 濃厚なのにさっぱりな、リピート必至の絶品ソフト
いろんなトッピングがあって目移りしてしまうのですが……なにか、おすすめをご紹介いただけますか。
青木一番人気の「ハチミツと3種のナッツのソフトクリーム」はいかがでしょうか。基本のミルクソフトクリームに、たっぷりのハチミツ、キャラメリゼしたアーモンド、ピスタチオ、ピーカンナッツ、オレンジピールをトッピングした、とっておきの一品です。
見た目もフォトジェニックで、とてもおいしそうですね……。ぜひ、そちらをお願いします。ソフトクリームのベースの味は、ミルクとマスカルポーネチーズから選べるのですね。この2択はめずらしいですね!
青木ミルクは、牛乳の魅力をストレートに味わえる定番です。マスカルポーネチーズは、いつもより少し甘いものが食べたい気分のときにおすすめです。
うーん、どちらも魅力的で迷ってしまいますが……まずは「ハチミツと3種のナッツのソフトクリーム」はミルクベースでお願いします。(味わいながら)……これは、なんて表現すればよいのでしょうか……まるで空気のようなソフトクリームのふわふわの食感にびっくりです! 牛乳のまろやかなコクがダイレクトに感じられて、とっても濃厚なのに、不思議と食感はさっぱりとさわやかで、心地よい後味ですね。トッピングのナッツがこれまた香ばしくて、ソフトクリームのおいしさを引き立ててくれています。ハチミツとミルクの相性も最高で、感動してしまいます……。
青木ありがとうございます。ソフトクリームを単体で食べるのももちろんおすすめなのですが、トッピングメニューにすることで、ソフトクリームの新しい魅力がより楽しめますよね。
うちはトッピングメニューに力を入れているのですが、ソフトクリームとトッピングの相性の良さを追求しながら、新メニューの開発に毎回試行錯誤しています。
せっかくなので、マスカルポーネチーズベースのほうもいただけますか? ……わぁ、こちらも、マイルドなコクがありつつ、さわやかでさっぱりとした味わいで、とてもおいしいですね。
青木マスカルポーネは、ジェラート用につくられたイタリア製マスカルポーネチーズをミルクに混ぜ込んで、ほのかに甘くてコクのある味を目指しています。
こちらのソフトクリームは、量もたっぷりで、食べ応えがありますね。
青木お客さまにしっかりご満足いただくために、ソフトクリームは1本で約150gと、平均よりかなり多めの量にしています。コーンの中にも空洞をつくらないように、ぎっしりと埋めるように巻いています。ワッフルコーンも量に合わせて、一般的なものよりもひとまわり大きいサイズをセレクト。とはいえ、空気を含んだふわふわの質感なので、食べ応えはありつつも、ぺろりと食べてしまえる絶妙なボリューム感をキープしています。少なめをご希望の方には−50円で対応していますので、ご安心くださいね。
小学生以下向けの商品として、150円でいただける小ぶりな「キッズソフト」がメニューにあるのもうれしいですね。
青木ご家族連れのお客さまにも気軽に楽しんでいただきたくて、お子さま向けのメニューをご用意しています。ちなみに「キッズソフト」はミルクベースのみです。
こだわりぬいた牛乳のリッチなおいしさを最上級マシンの力で最大限に引き立てて
牛乳の風味が本当においしいのですが、こちらはどのようなものを使っていますか?
青木牛乳は、“食品業界の金メダル”と言われる農林水産大臣賞を19回も受賞している、静岡大美伊豆牧場のもの。搾って3時間以内の牛乳を低温殺菌し、できるかぎりフレッシュな状態で使っています。
実は妻の実家の牧場なのですが、濃厚なのにあっさりとしていて、わたしが今までの人生でいちばんおいしいと思えた牛乳なんです。一般的なソフトクリームの乳脂肪分は8〜12%と言われていますが、うちの乳脂肪分は4.5%とかなり低めでさっぱりとヘルシー。牛乳本来の甘さを最大限に生かすため、ベストな砂糖の量を追求した結果、砂糖は一般的な使用量の1/4に抑えることができました。
そんなに甘さが控えめだとは信じられないくらいの、やさしく奥深い甘さを感じますね。
青木牛乳の品質がとてもよいので、自然の状態でも牛乳自体にじゅうぶんまろやかな甘さがあるんです。ちなみに砂糖は、ミネラル分の高い国産の白砂糖を使っています。
ところで、レジの後ろにあるソフトクリームマシンがとっても立派ですね。
青木こちらはイタリアの「カルピジャーニ社」のソフトクリームマシンで、“ソフトクリーム界のフェラーリ”と称されるほどのグレードのものです。クリームに空気を含ませながら急速冷凍することで、ホイップのようなフワフワ感とした、まるで生クリームを食べているような質感を出すことができるんです。
このマシン以外のものを使うと、うちの低脂肪の牛乳はシャリシャリとしたシャーベット風の食感になってしまい、理想としているクリーミーな食感が出せません。このマシンは、「レティエ」にとって必要不可欠な存在です。
元料理人&パティシエの経験を生かして夫婦でつくるワン&オンリーなソフトクリーム
本日いただいたソフトクリーム以外にも、「2層仕立てのティラミスソフト」「男のブランデーショコラソフト」「3種のレーズンと3種のお酒でつくったラムレーズンソフト」など、トッピングメニューやデザインに強いオリジナリティを感じます。
青木トッピングメニューは夫婦で考えることが多いのですが、フレンチレストランで働いていたときの経験が、今の仕事にも大きく生かされていると思います。
たとえば先ほどお出しした「ハチミツと3種のナッツのソフト」は、フランスの「ヌガーグラッセ」という冷たいお菓子をソフトクリームで表現してみたもの。その他、バラとライチ、フランボワーズを使ったパリの「イスパハン」というお菓子をベースにして考えた、「ローズブーケソフト」という期間限定(2017年7月末まで)のソフトもお出ししています。
他にはどんなメニューがありますか?
青木自家焙煎のコーヒーや、ソフトクリームと同じ牛乳を使ってつくった自家製プリン、グルテンフリーのガレットなど、カフェメニューも充実しています。
今後も大切にしていきたいことがありましたら教えてください。
青木おかげさまで、オープン以来どんどんお客さまが増えていますが、どんなに混雑しても商品のクオリティが下がることのないよう、気を引き締めていきたいと思います。新商品や、期間限定メニューなども日々考案中です。忙しいときも笑顔を絶やさず、たくさんの方に喜んでいただけるソフトクリームをつくっていきたいです。
■ 商品リスト
ハチミツと3種のナッツのソフト 780円
(ベースをマスカルポーネ味に変えると+50円)
マスカルポーネソフト 450円
■ 教えてくれた人
青木則夫さん
「レティエ」オーナー。フレンチのシェフとして働いた後、2015年10月、千駄ヶ谷にソフトクリームとカフェの店「レティエ」を奥さまと共にオープン。過去につくったトッピングソフトでお気に入りは、貴醸酒をたっぷりかけた甘酒のような味わいの「SAKEアフォガード」。
SHOP INFOMATION
NAME | レティエ |
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URL | http://laitier.net |
ADDRESS | 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-22-7 1F |
TEL | 03-6455-5262 | OPEN | 11:00〜19:30 |
CLOSE | 火曜定休(祝日の場合は営業) |
※他、臨時休業する場合があります