未来を見つづけ、銀座へ

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日本でパティシエの歴史を語るのに欠かせない人物、吉田菊次郎氏。大学卒業後にヨーロッパに渡り、フランスやスイスで製菓修業を積み、1973年には渋谷に「ブールミッシュ」を構えた日本のフランス菓子業界のパイオニア的な人物として、広く知られている。

ブールミッシュがオープンしたのは40年以上前のこと。しかし、今なお全国のデパ地下や駅ビルで愛される存在でありつづけるのはなぜだろう? その秘訣を吉田氏にうかがうと、「フランス菓子の伝統に忠実で、現代の味覚を探りつづけること」。

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なるほど、吉田氏のヒット作といえば、自ら発掘した「シブースト」や、丸ごとのトリュフをケーキに入れて焼き上げる「トリュフケーキ」、隠れた名物だという「ギモーヴ」……。これらはフランスの伝統的なレシピをもとに作られ、突飛な発想からできたものではない。しかし、食べ飽きられることなく愛されているのは、伝統をきちんと掘り下げ、現代の味覚を踏まえて活かしてきたから。

ブールミッシュは2004年、発祥の地である渋谷から銀座に本店を移している。これは、同じ菓子職人であった父親が銀座で活躍していたことから「いつしか銀座へ……」という夢がかなってのこと。10年目を迎えた高架下の店舗は、不思議とフランスの街角のようだ。

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ほかにも多数の店舗を持つブールミッシュだが、やはり銀座は特別。限定メニューのタルトレット・シブーストがあり、人気の「銀座一丁目ロール」やソフトクリーム、限定パッケージも多い。そしてなにより、開店以来同じ店長が取り仕切っており、銀座ながら“地元で愛されるお店”。年配の常連さんがお茶とケーキを楽しみにきたり、いつものビジネスマンが手土産を買いにきたりと、なんともあたたかみがある。本格パティスリーなんだけれども、街のケーキ屋さん的な一面もある、素敵な場所だ。

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吉田氏に後輩たちへのメッセージを求めると「挑戦!」という言葉が返ってきた。そして、古典を見つめなおすこと、と。一見相反するようで、実はとても前向きで根源的なアドバイス。パイオニアの言葉はやっぱり深い。

商品リスト
タルト・シブースト
454円