歴史と文化、そして気持ちのいいテラスまである場所

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「ジェルボー」はハンガリーの人なら知らぬ人はいない有名店であり、首都ブタペストで150年の伝統を持つ、中央ヨーロッパでは最古ともいわれるカフェ。観光でブタペストを訪れた人も必ず目にする、荘厳な建築物としても有名だ。

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こちらは、その伝統を受け継ぎ、日本でも知ってもらう場所として2009年に表参道に開店し、2012年に現在の Ao<アオ> に移転している。本店から届けられた重厚な椅子、それに合わせたエレガントな設いに身を置くと、歴史あるハンガリー文化にひたることができる。

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さて、ブタペスト本店でも、東京本店でも人気なのが、ハンガリーの伝統菓子のひとつ「ドボシュトルタ」である。ハンガリーの菓子職人ヨージェフ・ドボシュが1885年に考案したお菓子で、エリザベート皇妃がこのお菓子を絶賛し、皇帝から金十字功労賞を授与されたという歴史を持つ。

ジェルボーではこの「ドボシュトルタ」をよりおいしくするために工夫を重ね、そのレシピは1995年まで極秘にされていたという。

では、ドボシュトルタはどんなケーキなのか。

本体は「ドボシュクリーム」と呼ばれるチョコレートのバタークリームと、こちらも「ビスキュイドボシュ」と名付けられたスポンジ生地を幾層にも重ねたもの。特徴はトップにキャラメルの生地をのせることだ。

このキャラメル部分が実はとてもかたい! しかもクリームの上に斜めにのっていて、とても独特なフォルムである。

実は、ここを手で持ってケーキからおろし、別に切って食べるのが「ジェルボー」流!

ちなみに、一般的に三角形のケーキはとんがったほうが左にくるのが正式だが、ハンガリーでは右にくるのも特徴だ。

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パリパリともサクサクともいえるキャラメルと、ふわふわとやわらかいけれどキャラメルと同じくらい濃厚なスポンジ&クリーム。この、まったく違うようにも思える個性的なふたつのパーツが、実は一緒に食べるとなんともエレガントで奥の深いケーキの味として完成するのだ。

お店はオーナーがハンガリーと深いつながりを持っているため、本物のハンガリーの料理やお菓子を味わえる、日本では貴重な場所。映画や舞台でも話題となったエリザベート王妃をはじめとする華やかな文化を持つ歴史を雰囲気と舌から感じられる。濃厚なケーキを頬張りながら、そんな背景に想いをはせるのも楽しいものだ。

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とはいえ、難しく考えないで。ここにはほかにはないおいしいケーキとおいしいお茶があり、表参道のビルの中とは思えない広々として自然が豊かなテラスはこれからの季節にどんどん気持ちがよくなるだろう。大塚俊介さんはじめ、おもてなしはスマートで、でも格式張らないもの。なんとも居心地がいいカフェとして使える。

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表参道にカフェは数えきれないほどあるけれど、ほかでは体験できない味と空気を持ったお店だ。

SHOP INFOMATION

NAME 【閉店】ジェルボー 東京本店

※他、臨時休業する場合があります