こんにちは。@chocolat_rieこと、りえです。

「物語とあまいもの」第2回は、『不思議の国のアリス』がテーマです。

■ 第1回: 自宅で簡単にできる、『白雪姫』が作ってくれそうな焼きたてアップルパイのレシピ。

『不思議の国のアリス』、ほとんどの方がご存知かと思います。それは黄金の昼下がりのお話。川辺で退屈していたアリスが、近くを大急ぎで、懐中時計を見ながら走ってきたうさぎを興味本位で追いかけるところから始まる、著者:ルイス・キャロル、イラスト:ジョン・テニエルの、1865年に出版された世界的に有名な児童小説です。

不思議の国のアリスは、話の内容はさることながら、その愛らしいキャラクターゆえか、長い年月が経っても未だに多くの人の心を動かす作品です。

オマージュ作品も数多くあり、1988年にヤン・シュヴァンクマイエルが撮った『アリス』や、最近ではCanonの「Alice in Tokyo」と言うCMにも登場していますし、2010年にはティム・バートンが『Alice in Wonderland』というタイトルでリメイクしていますね。これに関しては来月続編が公開されるというのですからとても楽しみです。

ところで、不思議の国のアリスには、たくさんのおいしそうで不思議な食べものが出てくるのはご存知ですか?

あまくておいしい瓶の中の飲み物(これを飲んだアリスは小さくなってしまいます)。ガラスの箱の中の小さなケーキ(今度は足元が見えないくらい大きくなってしまいます)。アリスのポケットに入っていたキャンディ、ミートパイ、ウミガメのスープ、いかれたお茶会の帽子屋の持つバターパン、女王が真夏に焼いたタルト。

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女王のタルトは、不思議の国のアリスの11章「タルトを盗んだのは誰?」に載っています。一部を抜粋して載せます。

“The Queen of Hearts Mother Goose Nursery Rhymes”
The Queen of Hearts, She made some tarts all on a summer’s day.
The Knave of Hearts,He stole the tarts . And took them clean away.

“マザーグース”
ハートの女王 夏の日に1日かけてタルトを焼いた
ハートのジャック 盗んできれいに食べちゃった

マザーグースの一節なので、きっとご存知の方の方が多いでしょう。

さて「真夏のタルト」は、一体どんな味なのでしょうか? きっと爽やかで、ほんのりノスタルジックな、ジャックが食べ尽くしてしまったのも仕方ないと思えるようなタルト。

今回はそんなタルトをイメージした、レモンチーズタルトのレシピをご紹介します。暑くてオーブンを稼働させるのも…、という季節にもってこいの甘いおやつです。

材料

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● クリームチーズ……100g
● 生クリーム……50cc
● ホワイトチョコ……40g
● 砂糖……15g
● レモン果汁……4cc
・粉ゼラチン……1.5g
・粉ゼラチンを溶かすお湯……6cc
・市販のタルトビスケット……4個(市販のクッキーをアルミカップなどに入れたものでも代用可)
・レモンのシロップ煮(レモンと同量の砂糖と水を用意し、沸騰させたらそこに極薄切りにスライスしたレモンを入れ、再沸騰させたもの。清潔な容器に入れ、冷蔵庫にしまったら翌日以降食べられます)

※倍量でつくると、18cmタルト型ひとつ分です。

下準備

・ホワイトチョコは湯煎で溶かしておきます。

つくり方

1)●の材料をボウルに入れ、湯煎にかけながら、泡立て器で混ぜます。

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2)①に湯で溶かしたゼラチンを加え、ザルで数回漉します。

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3)②を市販のタルトビスケットに入れ、冷蔵庫で数時間寝かせます。

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4)③が固まったら、レモンのシロップ煮を上に飾ります。

飾る際は、4等分にしておくと食べやすいです。

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5)できあがりです!

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女王のタルトを盗んだハートのジャックの裁判のシーンから、アリスの物語はラストへと全速力で駆け抜けていきます。

幼い頃を思い出し、久しぶりに本棚に眠っている『不思議の国のアリス』を読み返しながら、レモンの甘酸っぱいタルトで夏を感じてみてはいかがでしょう。