12月10日(土)、CAKE.TOKYO × minne がコラボレーションして、1日限定カフェをオープン。あたたかな世界観があふれる空間には、minneで人気の作家さんが手作りした、おいしいお菓子が並びます。こだわりのお菓子にこめられた想いやストーリーを、作り手の方たちに聞きました。

横浜の住宅街・弘明寺から漂ってくるバターの香り。そのいい香りを辿っていくと現れるのが、野菜を使ったマフィンやスコーンを販売している「AS Muffin」。姉のあやこさんと妹のさとこさん、姉妹ふたりで切り盛りしているお店です。

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写真左:姉のあやこさん 右:妹のさとこさん

「私たちのマフィンをきっかけに、家族や友だち同士の絆がもっと深まるとうれしいよね」と笑い合うおふたり。仲良し姉妹がお菓子にこめて届けたい想いについて、お話を聞きました。

マフィンが人と人とをつないでくれる

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季節ごとに旬の野菜を使ったマフィンが並ぶ「AS Muffin」。看板メニューが「にんじん&ピーナッツバターマフィン」です。にんじんをすりおろして生地に混ぜ込み、仕上げにピーナッツバターを乗せて焼き上げています。さっくりした食感とふんわりした甘み。ピーナッツバターの塩気のアクセントが絶妙なバランスです。

野菜は知り合いの農家さんから入手するなど、できるだけの地場のものや横浜の野菜を使っていますが、基本的には普通のスーパーや八百屋さんで手に入る野菜です。それにはあやこさんと、さとこさんのこんな想いがこめられています。

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あやこ:「AS Muffin」のマフィンを、どんどん真似して作ってほしいんです。だから、できるだけ手に入るような材料を使うようにしています。マフィンって基本的に一個ずつ作るものじゃないですよね。だから誰かと一緒に食べたりプレゼントしたり、コミュニケーションのきっかけになったりできると思うんです。

「おいしい」の先にある人と人とのつながりを作りたい。そんな想いのこもったマフィンは、妹のさとこさんがひとつひとつ丁寧に手作りしています。

姉妹でお店を切り盛りするわけ

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マフィンの製造は妹のさとこさん、ブログの更新やマルシェの出張販売は姉のあやこさんと、役割分担をしているふたり。お話を伺っているなかでも息の合った雰囲気が感じられましたが、実は自宅に工房を作り一緒にお店をはじめてからまだ1年足らずだと言います。

さとこ:2008年から私ひとりで「S Muffin」というお店をはじめたのですが、製造のほかに、事務的なことも自分ひとりだとなかなか手が回らなくて……。

あやこ:妹が苦労している姿を見ていて、何か役に立てないかなと思ったんです。それぞれ得意分野が違うからこそ、支え合えばうまくいくんじゃないかなと。

さとこさんのイニシャル「S」をとった「S Muffin」に、あやこさんのイニシャル「A」が加わった「AS Muffin」。お店の名前からも、姉妹の絆が伝わってきます。

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もともと事務の仕事をしていたあやこさんが、製造以外の仕事を受け持つことで、さとこさんは製造や新商品の開発に専念できるようになったとか。そんなさとこさんの姿を見てあやこさんは、

あやこ:妹は自分が作ったマフィンが焼きあがるたび、本当にうれしそうないい表情をするんです。それを間近で見ていると、私までうれしい気持ちになります。と話してくれたのが印象的でした。

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ひとり3個食べても罪悪感を感じないマフィン

「AS Muffin」のマフィンの一番の特徴は、野菜を材料に使っていること。さとこさんが自分のお店を持とうと思ったとき、自分が大好きなマフィンでオリジナリティを出すためにはどうしたらいいか、考えた結果行き着いたのがこの形なのだと言います。

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さとこ:マフィンって具材はブルーベリーとかナッツとか、なんとなく決まってしまっている気がして。せっかくだからオリジナリティのあるものを作りたいなと思って。それに、野菜が入ってるっていうだけでなんとなく罪悪感が減るかなって。

なるほど、女性ならとくに共感できる感覚かもしれません。また「AS Muffin」のマフィンは一般的なものよりもすこし小さめのサイズ。ひとりであっという間に3つも食べてしまいましたが、野菜をたっぷり食べていると思うと、おいしい時間も罪悪感を感じずに楽しめます。

ただ、野菜は時期やものによって水分量が大きく変わるので、それに合わせて材料の配合を変える必要があるといいます。「AS Muffin」のマフィンがいつでもさっくり、そしてふんわりとした食感にできあがるのは、さとこさんが野菜の水分量を見極めて、バターや牛乳、小麦粉の量を微妙に調整しているから。すべて手作りだからこそできることです。

無機質じゃないコミュニケーションがうれしい

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最初に紹介した「にんじん&ピーナツバターマフィン」と並んで「AS Muffin」の人気メニューとなっているのが「ほうれん草&くるみマフィン」。茹でたほうれん草をペースト状にして牛乳と合わせ生地に混ぜ込んでいます。頬張るとほんのりほうれん草の風味に、くるみの食感と香ばしさがアクセントになっています。

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野菜とマフィンのありそうでなかった意外な組み合わせ。さとこさんがアイデアを出して試作したものをふたりで試食して商品化させるそうです。ちなみに、あやこさんが今までで一番おどろいた組み合わせは「なす&ブルーベリーのマフィン」。ジャムのように甘く煮詰めたなすにブルーベリーの甘酸っぱさがマッチして、とてもおいしかったとか。

そうやって、姉妹ふたりで作っているマフィンには、あたたかい気持ちがたっぷりこもっているはず。その想いが伝わるからか、通信販売のお客さまからメッセージをもらうことが多いといいます。

あやこ:「おいしかった」と言ってもらえるのはもちろんですが、「梱包が丁寧でうれしかった」とか「ギフトとして贈ったらとてもよろこんでもらえた」とか、たとえ通信販売でも無機質じゃない人と人とのつながりを強く感じられるのがとてもうれしいんです。

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あやこさんとさとこさんが「おいしさ」を通して伝えたい、人と人とのつながりの大切さは、こんなところにも表れているようです。今後は、大規模なマルシェだけでなく、もっとお客様と触れ合えるような機会でも出店したいというおふたり。

「AS Muffin」のおいしいマフィンが、これからもたくさんの人と人とをあたたかくつないでいってくれるはずです。

SHOP INFOMATION

NAME AS Muffin
URL https://www.asmuffin.com/

※他、臨時休業する場合があります