こんにちは、ライターの平賀です。普段は企業さまのオウンドメディアや、PR原稿の執筆をしています。

みなさんは、銀座でお買い物をされることはありますか? 休日の銀座は歩行者天国になるため、日本人だけではなく、多くの外国人観光客も街歩きを楽しんでいます。

銀座で少し歩き疲れたら、ひと休みする場所としてぜひ利用していただきたいのが「月光荘サロン 月のはなれ」。小さな雑居ビルの屋上にある、いわば現代版・サロンです。(※なぜサロンと呼ぶかは、後ほど説明しますね)

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「月のはなれ あと23段!」

エレベーターがないビルの5階(屋上)までの階段を上る途中、こんなメッセージが。少し息を切らしながらお店に到着すると、そこには陽光降りそそぐバルコニーが広がっていました。

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「月のはなれ」は、晴れた日にはテラスでのんびりとでき、夜にはお酒も楽しめる空間です。銀座にあるとは思えないほど落ち着いた店内で、まずはコーヒーを注文しました。

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カップに描かれた「友を呼ぶホルン」はお店のトレードマーク

こちらの「有機栽培コーヒー」は、注文を受けてからハンドドリップで淹れられます。ひと息ついて、甘いものがほしくなったので人気のデザートをいただきました。

季節ごとに変わる自家製ジャムでアクセントを

まずはお店の看板メニューである「月のレモンケーキ」。三日月のかたちをしたレモンケーキに(下記写真左から)ハチミツ、生クリーム、ジャムの三種類のソースが添えられています。

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スイーツで一番人気の「月のレモンケーキ」700円(税込)

ポイントは、季節にちなんだ果物を使った自家製ジャム。キウイ、イチゴ、パイナップルなど、使用するフルーツを定期的に変えています。取材時にはリンゴとシナモンを使ったジャムが添えられていました。また、ケーキの生地には無添加レモンの皮を使用。ほんのり温かく、外はサクッと、中はしっとりとしたケーキに、やさしいレモンの香りが広がります。

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「月のはなれ」では、1年ほど前からクレオール料理の提供をスタートさせました。「クレオール」とは、アメリカで生まれ育ったヨーロッパ移民のこと。野菜を炒め、鶏のスープと煮込んだ「チキンガンボ」というシチューをメインに打ち出しています。

「バナナフォスター」も、クレオールたちが考案した家庭料理のデザートです。

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「バナナフォスター」は取材時のスタッフさんおすすめの一皿。700円(税込)

演奏家である現オーナーの日比康造さんは以前、音楽活動のためにアメリカのニューオーリンズへ渡航。クレオールの文化に触れ、月のはなれでも当時親しんだクレオール料理を再現したいと思ってつくり始めたのがきっかけでした。

バナナフォスターをつくるには、まずバナナを焼いた後にラムでフランベし、黒糖とスパイスをカラメルにしたソースをかけます。最後にアイスを添えれば完成。口の中で黒糖の香りが広がり、アイスの冷たさと香ばしいバナナの温かさを、ゆっくりと味わっていたいデザートです。

ほかにはふわふわのパンを使用した「フレンチトースト」や、レーズンとクルミをたくさん混ぜ込んだ「チョコのテリーヌ」も提供。食事やお酒だけでなく、デザートも本格派です。お酒やご飯を楽しんだ後、最後に甘味を食べれば、心も体も落ち着く感覚を味わうことができます。

アーティストだけではなく、お客さまにも“表現の場”を提供

届けるもの一つひとつに思い入れを持つ、銀座の隠れ家のような空間「月のはなれ」。オーナーの日比さんと一緒にお店の立ち上げ当初から参画している店長の遠藤信介さんに、オープンした経緯やお店のこだわりについて、お話を伺いました。

お店から歩いて1分ほどのところに、「月光荘」という画材屋があります。オープンしたのはなんと、100年前の大正6(1917)年。月光荘では絵の具やスケッチブックなど、すべてオリジナルの画材を販売中です。

遠藤月光荘が始まったきっかけは、初代オーナーの橋本兵蔵が画家や作家、政治家などが集うサロンに参加したことでした。多くの文化人と交流を持った橋本は、周りの勧めで画材店を始めることを決意。歌人・与謝野晶子から、「月光荘」という名前をつけてもらいます。

それから長い年月が経ち、「当時のサロンのようにさまざまな人が集い、多くの交流が生まれる場を現代につくりたい」という想いを抱いた現オーナーの日比とともに、2013年に「月のはなれ」をつくりました。

月のはなれが「月光荘サロン」という名を頭につけたのは、月光荘が生まれた背景が関係していました。またカップやお皿についたホルンのマークは、芥川龍之介や島崎藤村などが考えてくださったそうです。橋本さんは、名だたる文化人たちに愛されていたのですね。

月のはなれは、料理以外にもさまざまなこだわりが盛りだくさん。なんと日替わりで、音楽家による生演奏が行われているんです。

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ジャズやクラシック、映画のサントラがバイオリンやサックスなどで奏でられます。お酒を飲みながら音楽の世界に浸る、贅沢な時間を味わえるのです。

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ピアノと機材は自由に使用可能です

遠藤ここは「人が交流する場」としてだけではなく、「芸術を身近なものとする場」としても機能してほしい、そう考えています。そして月光荘は、「作品は人の目に触れてはじめて完成する」という理念を持っており、月のはなれでもアーティストが表現する機会を届けたいと思いました。

また音楽家だけではなくお客さまにも、表現することを楽しんでもらいたいーそう思った私たちは、「ユーモアカード」というハガキを作成しました。デザインは100種類以上。公募で選ばれたものや、何十年も前から使われているものなどさまざまです。一枚100円で販売しており、お店で手紙を書いてすぐに投函することができます。

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「接吻のタイミングをつかんだ彼 彼は男らしき男です」など、ちょっと愉快な一言とイラストが添えられています。
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想いを込めて書いたら、こちらへ投函(切手も用意しています)

遠藤お酒を飲んでリラックスし、普段なかなか伝えられなかったことを言葉にしていただきたい。最近は、手紙を書くことってなかなかありませんよね。音楽を聞きながら、大切な人に自分の想いを伝える機会になればいいなと思います。月光荘の絵の具やクレヨンも置いているので、自由に使って好きなメッセージを書いてください。

オープンしてからまだ3年あまり。料理のみならず、表現を伝える場、交流の場を提供し、すでに多くのことに取り組む月のはなれは、今後どこへ向かうのでしょうか。

遠藤デザートをはじめとして、今後ももちろん新商品を増やしていけたらと思っています。個展や演奏など、今はやりたいことが何でもできる状況です。100年前にサロンで月光荘が生まれたように、色んな人や感性が入り交じる今の状態から、ここに集う人たちが交流する中で何かが生まれてくれるとうれしいですね。

遠藤さん、ありがとうございました。

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月のはなれは100年前から続くストーリーと、現代の感性がマッチした場として、多くの表現者たちに愛されるサロンです。そこには甘さだけでなく、酸味も苦みも合わさった優しいデザートが生み出されていました。

商品リスト
月のレモンケーキ
700円
バナナフォスター
700円