Café & Meal MUJIデザートの開発インタビュー第4回は、「Café MUJIのソフトクリーム」に迫ります。担当の日向桃子さんにこだわりを伺いました。

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・第1回 Café & Meal MUJIインタビュー
・第2回 本和香糖のチーズケーキ
・第3回 焼きプリン

放牧で育ったジャージー牛のお乳でつくる。だからおいしい。

日向わたし自身、この「Café MUJIのソフトクリーム」はよく食べています。大好きなんですよ〜(笑)。

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企画担当の日向さんにそういわれると、おいしさの説得力がありますね! 実は、わたしもファンなんです。

日向このソフトクリームの開発には、生産者でありネーミングにもなっている森林ノ牧場(栃木県)の存在がとても重要でした。この牧場は「森林放牧」といって、林業の衰退で放置林となった土地の荒廃を防ぐために牛に下草を食べさせ、乳製品で収入を得ながら山の保全をする、という森林再生のプロジェクトを行っているんです。

豊かな森のなかで自由に育てたジャージー牛のお乳は、本当においしくて。

「森林放牧」という手法で、結果的に健康的な牛が育ち、おいしいお乳になるなんて、素晴らしい取り組みですね! なぜジャージー牛なんですか?

日向一般的に乳牛とされるホルスタインはお乳をたくさん出すために品種改良された種で、体が大きいので下草だけでなく穀物飼料も与えなくてはならず、森林放牧には向かないんです。

いっぽう、ジャージー牛は体が小さいので下草で十分にまかなえるうえ、乳脂肪分の高い濃厚な牛乳が取れるという特長があります。さらに、68℃30分という低温殺菌処理をすることで、濃厚なのに後味はさらっとした牛乳になっています。だから、このソフトクリームを食べた後は、「水を飲んで口直しをする」ということをしなくても大丈夫なんです。

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(食べながら)確かに! 濃厚なのに口の中に残らないのが不思議。改めて理由を教えてもらって味わうと、感動します。そしてネーミングにもあるように砂糖はチーズケーキや焼きプリンと同じ「本和香糖」を使用していますよね。

日向はい。「本和香糖」は牛乳ととても相性がよいので、牛乳と砂糖両方の旨味が引き立つんです。材料もシンプルで、牛乳を80%、本和香糖を10%、あとの10%は固めるために脱脂粉乳を入れているだけです。

ところで、このソフトクリームは季節によって味が変わるのをご存知でしたか?

え、どういうことですか? 

日向冬は濃厚で、夏は冬に比べさらっとしているんです。季節により生える下草も変化しますし、夏はジャージー牛が飲む水の量が増えるので牛乳も薄くなり、ソフトクリームもさっぱりした味になります。

まさにCafé & Meal MUJIコンセプトである、素材そのままを味わえるんですね! ソフトクリームと言えば、コーンも重要ですが、こだわりはありますか?

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日向濃厚なソフトクリームに合うよう、最中っぽいコーンにしたくて、玄米粉とライ麦粉を合わせて雑穀コーンにしているんです。これも味や色合いなどいろいろと試しました。

ひとつのデザートに、これほどまでストーリーがあるなんて!

日向個人的にも思い入れが強い商品ですね。東日本大震災の後、原発事故の影響で3年間も放牧ができなくなったり、次から次へと大変なことが起こりました。わたしたちも除染作業を手伝いにいったりして、2014年からようやく基準値を下回るようになり、放牧が再開できるようになりました。

森林ノ牧場へは、毎年春と秋に必ず訪れています。現在は、「飲むヨーグルト」を森林ノ牧場の牛乳で作ろうと施策を重ねています。

生産者の顔が見える、なんて贅沢なデザートなんだろうと思いました。飲むヨーグルトも楽しみにしています!

次はCafé & Meal MUJIデザートの開発インタビュー最後回、「ガトーショコラ」と「ほうじ茶プリン」です。(つづく)

教えてくれた人
日向桃子さん
2001年より入社。Café & Meal MUJIのスタッフ、店長を経て企画担当に。日向さんの春のオススメのメニューは「クリームソーダ」(550円)。「Café MUJIのソフトクリーム」と、クチナシとベニバナの天然色素で作られたやさしい緑色の炭酸ジュースがベストマッチ!
商品リスト
Café MUJIのソフトクリーム 380円