泣く子も黙る、栗の名産地長野県・小布施(おぶせ)。
そして、その地名を名前にする、小布施堂は明治30年代に栗菓子を製造したのが始まりの、栗菓子の老舗。全国各地にも店舗がある小布施堂ですが、伊勢丹新宿店にはここだけの特別な逸品がありました。
それが、栗の風味を最大限に引き出したという、風味豊かな「栗羊羹槽流し(くりようかんふなながし)」です。
ところで、「栗といえば秋」というイメージですよね。でもこの「栗羊羹槽流し」は、1年中栗あんを季節に合わせて楽しめるようにと、春には春の、夏には夏の、季節を感じられる製法で作られた「栗羊羹槽流し」が店頭に並びます。
定番の他に、春は弾力を感じる「かすみ」、夏は涼感が特徴の「水栗」、秋はしっとりとした「本流」、冬は濃厚な食感の「本煉り」などが登場します。
さて、本日いただいたのは、年間をとおして定番で人気の「渋皮煮」。
口に入れると、なめらかでみずみずしい栗の風味、そして、ごろんと入った栗の存在感たるや! みずみずしいというと、さっぱりとして薄味の印象かもしれませんが、みずみずしいのに濃厚です。栗、新体験! といった感じ。
ふむ。このつるんとなめらかな口当たりと、栗の風味のバランス。ただものではないぞ! …と、製造方法についてうかがったところ、栗の風味を活かすことを第一に考えている(栗を収穫し、蒸して、裏漉しし、栗あんに仕上げるまでを栗の鮮度のある間に素早く仕上げることで、栗の風味が活きた、お菓子のベースとなる栗あんができるのだそう)こと、そして、栗の風味を生かすため、砂糖などはできるだけ加えずに製造しているという2つの秘密がありました。
そして羊羹の製造も機械化が進み、多くの羊羹が袋状の容器に充填することで製造されてるなか、この「槽流し」は、その名の通り“槽”(ふね)とよばれる容器に、そのまま流し込み、1つひとつの羊羹の表情まで見ながら手作りしているのだそうです。
なるほど、シンプルな材料で手間暇かけてつくられたものだからこその、感動体験だったのでした!
季節ごとに変わる「槽流し」、残念ながら今回いただいた「渋皮煮」は現在終売してしまったそうですが(秋頃販売予定)、初夏の味「八十八夜」が登場。新緑の時期にあわせて、煎茶とあわせた寒天を重ねた槽流しで、やわらかい栗の風味と、スルッとした寒天のなめらかさが特長です。季節が巡るたびに新しい季節の「槽流し」がショーケースに並ぶので、ぜひチェックを!
ほかにも手間暇かけたこだわりの栗あんからつくられる栗菓子もたくさんで、どれもおいしそう。
さて小布施堂で、栗以外に注目のエピソードをもうひとつご紹介。商品が包まれる包装紙についてです。
表も裏も素敵な包装紙。裏面の絵柄はなんと「葛飾北斎」によるもの。12代当主の高井鴻山が葛飾北斎と交流があったことから包装紙に使われるようになったとのことでした。小布施堂の歴史を感じます。
栗といえば「秋」のイメージを、いい意味で崩してくれる、小布施堂の「栗羊羹槽流し」ぜひ皆さんも感動体験を!
SHOP INFOMATION
NAME | 小布施堂Shinjuku |
---|---|
ADDRESS | 東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿本店B1F |
TEL | 03-3352-1111 | OPEN | 10:30~20:00 |
CLOSE | - |
※他、臨時休業する場合があります