懐かしさを感じてなんだか安心するような優しい味わいが、多くの人に愛される「焼き菓子」。手軽に食べられて、持ち歩きしやすいのもポイントですよね。
今回は手土産にもぴったりの焼き菓子が買える、都内の7軒のスイーツ店をご紹介します。定番人気のマドレーヌやドーナツから、カヌレやエッグタルトなど、普段あまり目にしないような焼き菓子まで、選びがたいほどにどれも魅力的です。
自分へのごほうびに、大切なあの人への贈り物に。お菓子屋さんからの帰り道に鼻歌を歌いたくなるような、作り手のこだわりがぎゅっと詰まった焼き菓子はいかがですか。
1、ナタ・デ・クリスチアノ(代々木公園)
代々木公園からほど近いおだやかな住宅街で、白い壁と青い扉に目を引きつけられるお店が、ポルトガルの伝統菓子を手がける「ナタ・デ・クリスチアノ」。同店の人気商品は、ポルトガルのエッグタルト「パステル・デ・ナタ」です。
「パステル・デ・ナタ」(以下、エッグタルト)はポルトガルの修道院で生まれたと言われていて、ポルトガルではなじみ深い伝統菓子なのだそう。
「ナタ・デ・クリスチアノ」のエッグタルトは、サクサクとしていて噛むほどにバターの風味がにじみ出るパイ生地が特徴。小ぶりなので何個でも食べられそうなほどの絶品です。
国産の素材をメインに使い、本場よりもリッチな味わいのエッグタルト。実は、ポルトガル産の“塩”が味の決め手なんだとか。ビールや微発泡の白ワインとも合いますよ。
写真から「サクサク」と音が聞こえてきそうなエッグタルトへのこだわりは、こちらの記事でご紹介しています。
▶ ポルトガル式のエッグタルトを日本の良質な素材で。「ナタ・デ・クリスチアノ」のエッグタルトは、本場よりリッチな味わい。
■ パステル・デ・ナタ / 200円
2、ル・カナール(深大寺)
カヌレ専門店「ル・カナール」には、バニラ、ショコラ、抹茶、アールグレイ、ミルク、シナモン、珈琲の中から5~6種類がお店に並びます。フランスではバニラが主流のため、アールグレイや抹茶などは本場で見かけない味なんだとか。
小ぶりでコロンとしたカヌレは、想像よりもカリっと固め。一口目には、表面のカラメルによって少しほろ苦くも上品な甘み。二口目はしっとりしたカスタードクリーム。一般的なカヌレよりも小さいサイズには、カヌレのカリカリとした「皮」と中身のバランスへのこだわりが込められています。
ふと思い出したときに食べたくなるカヌレを求めて、数年おきに「ル・カナール」に足を運ぶ長年のファンもいるんだとか。営業日は、金曜・土曜の週に2日間。その他の曜日は、予約制で店舗を開けているそうです。
フランスで出合ったカヌレへの愛を店主の方にうかがった記事はこちらです。
▶ 週2日だけオープンするカヌレ専門店「ル・カナール」。 店主中谷さんが目指す、おいしいカヌレとは。
■ カヌレ / 各種120円(通信販売ではバニラ、ショコラ、ミルク、抹茶の4種類。お店のカヌレは通信販売でも購入でします。)
3、メゾン・ダーニ(白金高輪)
フランスとスペインの国境をまたぐバスク地方の郷土菓子「ガトーバスク」。スペイン産の良質なアーモンドとフランス産のブラウンシュガーを練りこんだクッキー生地の食感が特徴です。
本場のガトーバスクの味に「震えるほどおいしい」と感動し、修業を積んだシェフがオープンしたパティスリー「メゾン・ダーニ」。。「シェフにしか味わえない焼きたてをお客様にも提供したい」との想いから、一時間に一度焼き立てを店頭に並ベています。
繊細なおいしさを追求するシェフが手がけたガトーバスクは、外側が香ばしくさっくり、内側はしっとりしていて独特の食感。香ばしいアーモンドとバターの風味をじんわりと味わえます。秋にはかぼちゃ、冬にはりんごなど、季節限定のガトーバスクも楽しめますよ。
「日本でも本場のガトーバスクを食べてもらいたい」と決意してお店をオープンしたシェフの、こだわりが詰まった記事はこちらです。
▶ 白金高輪「メゾン・ダーニ」のガトーバスク。17世紀から愛される郷土菓子をめぐる、戸谷シェフのストーリー。
■ ガトーバスク / 450円
4、エイミーズ・ベイクショップ(西荻窪)
西荻窪の街角に凛とたたずむ「Amy’s Bakeshop(エイミーズベイクショップ)」。女性オーナーが営むこちらのお店は、連日多くのお客さんが行列をつくっている人気店です。
甘くスパイシーな香りがただよう店内には、ディスプレイされた20種類ほどの焼き菓子がずらり。スコーンやマフィン、シックな色合いのパウンドケーキなど、どの焼き菓子も食べ応えと味わい深さが魅力です。手に持ったときに感じられるボリュームも大切にしているんだとか。
特におすすめなのが、このキャロットケーキ。定番のナッツやレーズンの他にパイナップルが入っているので、さわやかな酸味がアクセントになるのだとか。上にのったクリームチーズは塩味が少なくミルキーで、生地とのバランスが絶妙です。
ニューヨークで出合った焼き菓子に魅了されて、フランス菓子の修行へ。ロゴも自分で手がているオーナーの想いを知れる記事はこちらです。
▶ 西荻窪に佇むNYの街角「エイミーズ・ベイクショップ」。凛としたアメリカンベイクに込められた熱い想い。
■ キャロットケーキ / 360円
5、マドレーヌラパン(自由が丘)
お店にずらっと並ぶのは、あらゆる世代のファンから「かわいい」と愛されているマドレーヌ。日本では珍しいマドレーヌ専門店「マドレーヌラパン」です。
出産を控えた女性や小さいお子さんへの手土産にできるように、カフェインが入っていなくて、安心して食べられる材料で作られたお菓子がほしい。そんな思いからお店を始めたオーナーは、シンプルなお菓子だからこそ、素材にとことんこだわっているとのこと。1,000種類以上の試作を重ねて、この優しい甘みのマドレーヌが誕生しました。
お店にはいつも8〜10種類のマドレーヌが並んでいます。一番人気は、マダガスカル産の最高級バニラビーンズが使われている定番フレーバーの「バニラ」。「しゃりしゃりレモン」は表面がレモン果汁の入ったアイシングで覆われていて、その食感や風味に反響が大きいのだとか。見た目よりもさっぱりしていて、甘さ控えめです。
一週間ほど日持ちするので、パーティや差し入れのギフトとしてたくさん購入するお客さんもいるんだとか。たくさん買いたいときは、事前にお店に問い合わせてみましょう。
気品すら感じさせるマドレーヌの誕生秘話は、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 自由が丘で出会った主役のマドレーヌ。やさしさとかわいさが溢れる「マドレーヌラパン」
■ しゃりしゃりレモン / 230円
6、haritts(代々木上原)
代々木上原にたたずむ木造の一軒家で、姉妹が始めたドーナツとコーヒーのお店「haritts(ハリッツ)」。ショーケースにはたくさんのドーナツが並んでいます。
パン屋で勤務経験を持つオーナーが手がけるのは、ふわふわのドーナツ。持つだけで指の形がつくほどのやわらかさが特徴です。大きさの割に食べごたえが軽いので、一度に3つ食べちゃう人もいるのだとか。
定番人気はプレーンとクリームチーズ。クリームチーズは生地の中に包まれています。他にもさまざまな種類があるので、店内の「ドーナツ案内板」をチェックしてみましょう。
車の移動販売から台湾出店へ。2004年から始まったドーナツの物語は、こちらを読んでみてください。
▶ ある姉妹がはじめた代々木上原「haritts」は、ふわふわドーナツとやさしさが見つかる場所だった。
■ プレーン / 150円・クリームチーズ / 238円
7、CAFÉ KITSUNÉ(南青山)
パリ生まれのファッションブランド「メゾン キツネ」が手がける「カフェ キツネ」。南青山の路地にたたずむ日本とフランスを融合させた空間に感性を刺激される、「メゾン キツネ」ならではのお店です。
このカフェで特に人気なのが、ブランドのシンボルであるキツネをかたどった「キツネ サブレ」。フランスのキツネ サブレを日本オリジナルのレシピで仕上げました。
とてもシンプルなサブレですが、食感から割れやすさまで、完成までには何度も試作を重ねたのだとか。硬すぎずやわらかすぎない絶妙なサクサク感は、一口食べると忘れられません。口の中にふんわりと広がるバターのしあわせな香りは、どこか懐かしい味わいです。
「キツネ サブレ」は職人によるハンドメイドなので、一日に提供できる数は平日で30〜40枚、週末で50枚ほど。確実に手に入れたい場合は、週末の早い時間がおすすめだそうです。もちろん、お店こだわりのコーヒーとの相性もぴったりです。
2017年にリニューアルした「カフェ キツネ」がこだわったコーヒーとサブレについては、こちらの記事でご紹介しています。
▶ CAFÉ KITSUNÉのこだわりが詰まった「キツネ サブレ」。希少なエスプレッソマシンで淹れるコーヒーとめしあがれ。
■ キツネ サブレ / 280円
肌寒くなってくると、しっかりと焼き込んである食感を楽しめる焼き菓子が一層おいしく感じられるもの。あたたかいコーヒーや紅茶と一緒に、ほっと一息つけるようなぬくもりのある時間を過ごしませんか。
※商品の金額は、取材当時の値段です。時期によっては金額に変更がある可能性がありますので、訪問した際にご確認ください。